第8回高知の音楽活性化事業
DIVE into JAZZ!! 新谷健介オノマトペの愉快なニューオリンズジャズライヴ

開催日時
2019年2月16日(木)13:30開演
会場
高知市文化プラザかるぽーと 大ホール
入場者数
約420名(未就学児含む)

「ジャズ」と聞くと、難しい音楽という印象を持たれると思います。
実際、難しい音楽だと思います。100年以上前に、黒人の民俗音楽とアフリカのリズム、そしてヨーロッパのクラシック音楽が混ざり合って生まれ、楽譜に頼らない即興演奏というスタイルを持ち、時代時代で様々な音楽を吸収しながら今日に至る音楽が、難しくないわけがありません。
でも、楽しい音楽でもあるということは、今回のライブにお越しいただいた皆さんには伝わったのではないでしょうか。
ジャズの楽曲は、実は様々なメディアで使用され、常日頃耳にしているものです。今回演奏された『聖者の行進(When The Saints Go Marching In)』や『茶色の小瓶(Little Brown Jug)』などの代表的な楽曲は、どこかできっと聴いたことがあるでしょう。しかし、腰を据えてジャズを聴くという環境はなかなか体験する事は無いでしょうし、ましてや子どもたちにとってはなおさらです。
この「高知の音楽活性化事業」は、そういった普段なかなか出会わない音楽や珍しい楽器を通して、高知の子ども達や若い世代の皆さんに音楽という芸術により親しんでもらおうと企画しました。ホールコンサートはチケット代を低廉に設定し未就学児は入場無料、また小学校等へアーティストを派遣(アウトリーチ事業)して生演奏などを楽しんでもらう地域交流プログラムを合わせて行うもので、今回が8回目の実施になります。
さて、その難しいとされるジャズですが、意外にも子ども達の反応は上々であったことは印象深い事柄です。リズムや楽器、演奏する姿など、知らない音楽でもかっこいいと思えるポイントを見つけ、思い思いに楽しんでくれたようです。「ジャズの楽しみ方が分かった」という感想をもらったときには本当に頼もしく感じました。芸術に対しては言語的理解と直感的理解があり、彼らは後者の点できっと何か閃くものがあったのだと思います。ついついジャズの歴史などを持ち出してしまいますが、純粋に音楽を楽しむことができる、子ども達の見せてくれたその素直な感性をずっと大切にしてほしいと思います。
他方で、公演のアンケートをみると60代〜80代の皆さまの回答が目立ちました。かつてジャズ喫茶で親しんだ楽曲をホールで聴ける嬉しさや、若手バンドがニューオリンズジャズを演奏することに対して激励などを書いてくださっていましたが、特に嬉しかったのは、小さい子どもがホールに来場する事を、非常に肯定的に捉えてくださっていたことです。
ホールは広く開かれたものであるべきで、もちろん催しによっては入場制限が設けられたりもしますが、本事業のようにプロのアーティストの公演を低廉に、分け隔てなく楽しんでいただけるものも企画しています。こういった企画を考えこそすれ、やはりご理解をいただけるということが何より励みになり、今回で言えばジャズという芸術を介して、ホールという空間が市民の交流の場として機能することができたのなら、嬉しい限りです。
もちろん、こういった報告が出来るのも、新谷健介オノマトペの皆さんの素晴らしい演奏のおかげです。再演を望む声も大変多く寄せられ、エネルギーに溢れたライブを届けてくれました。アウトリーチでも、音楽で会話すると言わんばかりに、時間いっぱい演奏されました。アウトリーチでアンコールが起こるという想定外の盛り上がりも、しっかりと音楽を伝えようとするバンドメンバーの姿勢を見ると頷けます。この場を借りてお礼を申し上げます。ありがとうございました!
これからも、たくさんの人に楽しんでいただける企画を考えていきますので、難しそうな音楽や知らないアーティストでも是非飛び込んでみてください。きっと良い出会いがあります。


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